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5月の連休を使って、ワシントンを訪問し、旧知のエコノミストや政府関係者などと意見交換を行ってきた。第二回米中戦略経済対話(5月22~24日)を間近に控えていることもあって、中国についての話題に関心が集まった。ただし、米中関係に楽観的なムードが漂っていた一年前の訪問と違って、今回では両国の関係がこれから大変な局面を迎えるかもしれないという声が多く聞かれた。
実際、最近のブッシュ政権の対中政策をみると、その兆しとも受け止められる動きがあるのは確かである。2月以降だけでも、知的財産権の保護不十分などを理由に米通商代表部(USTR)は三回も中国をWTOに提訴し、米商務省も中国の紙製品の安値を調整するための相殺関税の適用を仮決定した。とくに、後者は二十三年ぶりの決定であったために、それを境に、米国の対中経済政策の軸足が強硬路線に移り、米中間で貿易戦争が勃発するかもしれないとみる識者もいた。
しかし、筆者はその可能性が低いとみる。貿易不均衡や人民元問題を中心に両国の摩擦が今後先鋭化するかもしれないが、貿易戦争に繋がっていく可能性はほとんどないと予想される。
その理由は、まず第1に、レーガン政権以降の米国の対中政策は大統領選挙のある年の前後では強硬路線に傾斜し、その後安定期に入るというパターンを繰り返してきたことである。大統領選を後一年余りに控える中で、ブッシュ政権がここにきて対中政策を修正するのは必然だともいえる。
第2に、ブッシュ政権が厳しい対中政策を打ち出した本当の狙いは、民主党支配下の議会が中国に制裁的法案を通すのを未然に防ぐことにあるともいわれていることである。
ただし、米中の二国間関係だけでは懸念を抱く必要がなくても、グローバルな視点からみると、全くリスクがないわけでもない。近年の世界経済の好調は米中両国に大きく支えられてきているだけに、米中間の対立がたとえ一時的なものにとどまっても結果的に世界経済に重大な影響を及ぼす可能性がある。
従って、来る第二回米中戦略経済対話も含め、今後、両国の関係者が米中関係について議論をするときは、ぜひ、グローバルなインパクトも十分に視野に入れて議論を進めてほしい。
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