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コラム

中国の株式バブル:崩壊のリスクはあるのか

2007/03/27


中国の株式バブル:崩壊のリスクはあるのか
 

 中国においては、「春節(旧正月)」に家族が団らんし、旧友が再会する伝統がある。筆者にとっての「春節」はこうした楽しみに加え、生の中国社会を観察する絶好のチャンスでもある。各地に散らばっている親類や友人と一堂に会し、彼らの生活振りをきくことによって、より詳細に中国社会の実態を把握することができるからである。

 今年の「春節」は2月18日から始まったが、筆者が得た最大の収穫は昨年来の株価急騰で投機ブームが中国社会で急速に蔓延していることを実感したことである。大晦日の家族団らんから中学校の同窓会まで、一連の会合で多くの親類や友人と再会した。なかにはビジネスに成功し、数千万元の資産を持っている資産家もいれば、国有企業からの早期退職でわずかの手当てに頼って暮らしている人もいた。しかし、保有資産に大きな差があっても、どの会合も株価という共通の話題で沸いていた。

 一方、一般的にみると、株に投資する資金力を持っている人だけでなく、大学生など自己資金を持っていない人もクレジット・ローンなどを利用しての借金で株やファンドの購入に躍起になっている話も伝わってくる。まさしくバブル時代の日本を彷彿とさせるほどの熱狂ぶりである。

 翻って、昨年来の株式市場の実態をみると、確かに資産家により多くの資産を増やし、資産をあまり持っていない人に資産家になる夢を与えるような動きをしてきた。代表的な株価指数である上海証券取引所の「上海総合指数」をみると、1月31日の1318ポイントから12月29日の2815ポイントへ2倍に急騰した。

 世界トップクラスの高い経済成長を続けていながらも、多くの問題に直面している中国は、われわれに期待と不安をもたらしてきた。所得格差の拡大や官僚の腐敗といった構造的問題が解決されないまま、中国は03年以降未曾有の不動産ブームに突入した。その後遺症が解消されないうちに、今度は株式フィーバーが都市住民の大半を巻き込んだ。その先に一体何が起きるのか。

 折しもこの原稿を完成しようとした時に、経済のファンタメンタルズが世界的に悪化するなかで、2月27日の上海市場の株価暴落を契機に世界同時株安が起きた。今回の上海市場の暴落の背景としては、金融引締め政策の強化による影響が指摘されているが、上述のような株式バブルの反動といった面が強いといえよう。幸い、今回は中国の資本市場が開放されていないこともあって、スパイラル的な株価下落は免れることができた。こうした「幸運」はこれからも続くのか。また、世界経済に対するチャイナ・インパクトが急増するにつれて、本格的な中国発クラッシュがいつか到来するリスクはないのか。ますます中国から目を離すことができなくなっている。