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中国経済:回顧と展望

2007/01/17


中国経済:回顧と展望
 

 新年に際して、2006年の中国経済を振り替えつつ2007年を展望してみたい。

 2006年の中国経済も拡大の勢いを維持した。実質国内総生産(GDP)の伸び率をベースにみると、1996年来の最高を記録した2005年より一層加速し、10.5%に達し、四年連続の二桁成長を実現したと見込まれる。

 需要項目別にみると、外需の役割の増大はとりわけ際立つ。中国経済の成長が輸出によって引っ張られてきたとの説がある。確かに、改革以降、政府の積極的な輸出拡大策によって、中国の輸出はほぼ一貫して高い伸びを続けてきた。しかし、輸出の拡大が主として輸入した原材料や部品の加工・組み立てによる再輸出の増大によってもたらされたために、輸入も輸出に匹敵する高い伸びを続けてきた。この結果、経済成長を促すうえでの外需(輸出-輸入)の役割は実は、2004年までに極めて限定的であった。こうした情況に変化が現れるようになったのは2005年であった。さらに、2006年に入ってから、外需は景気拡大の要因として本格的に機能するようになった。ちなみに、06年の名目GDPの伸び率に対する外需の寄与率は32%に達したと予想される。

 一方、投資過熱の問題が内外でクローズアップされているわりに、GDPの成長に対する投資需要の寄与はむしろ大きく低下したとみられる。この結果、2006年の中国において、消費・投資・外需の三大需要項目がほぼ均衡する割合で景気拡大を支えるという構図が初めて形成されたと見込まれる。

 こうした情況を踏まえて、2007年の中国経済を展望すると、景気拡大のペースはスローダウンする可能性が高いと予想される。換言すれば、1999年以降、常に前年より高い伸び率で拡大してきた中国経済の流れが2007年に転機を迎える可能性がある。

 その主因は投資需要の拡大ペースの鈍化である。2001年以降、鉄鋼やアルミニウム、セメントといった産業を中心に巨大な投資が行われてきた。こうした投資によって、関連産業の生産能力がいずれ過剰となり、中国経済の拡大に大きな限界をもたらすと懸念されてきた。
その兆しはすでに現れている。中国の輸出が2006年に急拡大した背景には、正しくそれまでの巨大投資によって形成された生産能力が国内で消化しきれなかったため、海外市場に向かわざるを得なかったという事情がある。ちなみに、輸入価格の上昇と輸出価格の下落が進んでいるにもかかわらず、中国は06年に初めてネットの鉄鋼輸出国になっている。

 輸出による過剰生産の消化を進める一方、投資調整の動きもすでに見て取れる。2006年に入ってから、とりわけ6月以降、固定資本投資、なかでも新規固定資本投資の伸びは急激な鈍化に転じた。そのままのペースが続くと、07年の経済成長に対する投資の寄与が一層低下することは必至である。仮に外需の寄与が06年並みの水準を維持し、農民や都市部中間層の所得向上に向けての政策が奏功して、消費がある程度拡大することができても、投資の縮小分を完全にカバーすることは難しい。このため、07年の中国経済の拡大ペースがスローダウンする可能性はきわめて高く、実質経済成長率は9.3%になると予想される。