新疆ウイグル自治区農業・産業視察 ~その4~
2010/05/31
新疆ウイグル自治区農業・産業視察 ~その4~
佐々木 清美
1月1日
コルラへ移動
コルラ新疆建設兵団幹部と会食
1月2日
コルラ
コルラ地区兵団企業見学
(7)緑原糖業公司(甜菜糖製造)
(8)トマトピューレ工場
ここでは、両社の経営母体が同じであるため、トマトピューレ工場・販売会社社員と一緒に話をうかがった。またここは「兵団」企業であるため、兵団という組織についても若干説明をしてもらった。
これらはコルラ地区の新疆建設兵団系上場企業である「冠農」集団所有の会社・工場である。精糖工場のほうは、1985年に成立した、計画経済最後の国有企業である。87年9月より生産が開始され、当時1000t/日の生産能力は現在では4500t/日となり、実際の生産量は年間4~6万トンとなっている。また、副産物としてアルコール4,500トンも製造している。生産される砂糖は白砂糖で、100%国内消費に回される。90%は食品工業用である。トマトピュレは20%が国内、80%が国外に輸出されている。
ここでも農産物栽培に関する各種条件の良さが説明された。コルラでの主な栽培作物は唐辛子(パプリカ)、ビート、トマトで、いずれも規模が大きく、技術もそれなりに高い。同社では2010年にトマト加工能力を6500t/日から6ライン9750t/日まで引き上げるとし、唐辛子も50万トン/年を計画している。パプリカやトマトの色素・糖度は世界で高いレベルにあり、また単位あたりの収量もビート7t/ムー(1ムー=6.6アール)、トマト8t/ムー、唐辛子700kg/ムーと非常に高い。また加工品である砂糖、ビートの絞りかすで作られるビートペレット(飼料)の品質も国内では高いものとなっている。ビートペレットは日本企業(兼松・住友・三菱)に23年輸出している。トマトピューレは主に欧米・ロシアに輸出している。トマトピューレはバルク(200l缶)で輸出している。どうやら新疆のトマトピューレが欧米に渡り、加工されて日本へ行っているようだ。直接日本に運んで日本で製品化すればよいのにと思うが、「ブランド化」ができていないため、やはり「ブランドロンダリング」としての欧米地区での加工が必要となっている。
もともと「兵団」という特殊組織であるため、民間企業とは少し違うところがある。管理の中で軍事的なところもある。エピソードとしては、お互い銃を持ちつつ交渉に臨むようなこともあった。また、自己紹介の際肩書きが「団長」「師長」「指令」といったものものしいもので、相手方が怖じ気づいたりすることもあった。だが今の兵団企業の役割は経済建設であり、合作投資については民間企業と兵団企業の違いはない。
日本とは設備・技術・科学的管理の面で合作導入したい以降がある。特に省エネ技術が高いので、合作したい分野の一つでもある。
時には商習慣の違い、政策・法律上の障壁によりうまくいかないこともあったが、模索しつつお互い利益を上げられる方法で合作を進めていくことを望んでいる。
兵団はこれまで組織として謎の部分が大きいと言われていたが、企業が上場化するにあたり、透明化が進んでいる。そういう意味では合作相手としては問題ない。
付録 棉花販売会社
もともと新疆の兵団は棉花栽培、東北地区の兵団は食糧を作るために組織されたといってよい。この棉花販売会社は加工・販売を行っており、自治区全体の生産量が225万トンであるのに対し、兵団では20万トン生産されている。
ここで加工された原綿は江蘇省大倉といった沿岸の香港・台湾企業に販売している。日本には直接販売していない。