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コラム

新疆ウイグル自治区農業・産業視察 ~その2~

2010/05/25

新疆ウイグル自治区農業・産業視察 ~その2~
 
佐々木 清美
 
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昌吉市 つづき
甜菜糖工場(3)
正式名称は「中糧新疆屯河股fen公司昌吉糖業分公司」といい、1988年に昌吉回俗自治州の工場として設立、90年より製造を開始し、2005年より中糧集団の傘下となった。新疆には13カ所の製糖工場があり、うち中糧傘下は8カ所ある。毎年中糧から生産量の指示がきて、それにそって生産を行っている。以前はアルコール生産も行っていたが、環境保護問題により07年に操業停止した。
工場は毎年10月から翌年1月末まで約100日稼働し、休止を挟んで5月から機械整備を開始する。1日あたり180トンのビートを処理し、年間で約1500トンを使用する。工員は420名。糖液を取ったあとのビートは細長いプラスチック状の「ビートペレット」になり、動物飼料として輸出されている。ビートペレットを飼料として食べさせると、牛乳の出がよくなるということである。
生産する砂糖は100%優良糖で、主な販売先はクラフトがチョコレート生産用に、そのほかイリ、蒙牛といった国内有力メーカーに納入しているという。
見学時はちょうど工場稼働期にあたり、ビートの粉砕から砂糖抽出までの工程をみることができた。工場は比較的きれいに整備されていた。
 
そのほか、同社に関係する加工事業について話をうかがった。もともと83年からトマト栽培が始まり、イタリアから生産設備・技術を導入し、加工品を輸出していた。トマト加工工場は23カ所あり、年間50万トンのトマトペーストを生産している。新疆はトマトの世界3大産地の一つであり、世界貿易の25%を占めるといわれ、ここでも加工されたトマトペースの90%は海外向け(欧米・アフリカ。日本との取引はデルモンテという名前がでてきていた)であるという。
そのほか、杏などの果物の加工も行っている。果物・野菜の加工レベルを上げたいが、なかなか海外の情報が入ってこず、むずかしいと言っていた。
 
(追記)
国内果汁市場へ本格進出
トマト加工の中糧屯河中国食品最大手の中糧集団傘下で、トマト加工事業を中核とする中糧屯河股fenが果汁市場へ進出する。今後5年で売り上げ10億元(約132億円)達成を目指す。中糧グループとしては昨年5月に「悦活」ブランドの果汁製品を発売しており、同市場への本格進出となりそうだ。【北京・森ちづる】
中糧屯河は、果汁100%のトマトジュースとざくろジュース、高濃縮果汁の杏ジュースを製造する計画。価格は245 ミリリットル入りボトルでは4.9 元となる。今年は北京や新彊、寧夏回族自治区など華北地域を中心に販売を開始し、その後、徐々に華東・華南地域へと拡大していく。今年の果汁製品の売上高は2,000 万元、今後5年で10 億元達成を目指すとしている。
中糧屯河は新彊ウイグル自治区や内モンゴル自治区などに栽培・生産拠点を持ち、輸出向けにトマトケチャップや杏ペーストなどを主に生産している。今年は特に国内販売を強化する方針で、計画では4億元を投じて「屯河」ブランドのトマトケチャップ製品の開発を進める。このほか、今後2~3年で、2億~3億元を投じて、トマトの自社栽培と外部からの買付比率を現在の1対2から、1対1まで調整するという。1日付中国証券報などが伝えた。(NNA2010年2月2日)
 
(4)種子生産企業
新疆西域種業股fen有限公司は1999年に国営園芸場から改組された、農業を主体とするハイテク企業である。耕地は7000ムーを有し、先進的な種子栽培を行っている。
新疆はスイカ・瓜類の生産基地であり、全国向け種の60%を生産している。そのほかひまわり、菜種、甜菜、トウモロコシ、ホップ、ワイン用葡萄・生食用葡萄などの生産を行っている。
新疆という土地は種子生産基地に適しておいる。日照時間が夏場で15~16時間あること、乾燥した気候であること、害虫が少ないこと、「オアシス農業」、つまり砂漠地帯に点在する農地で行うため、他の地域のものとの雑交の確率が低くなることといった利点があり、実際ここで生産される種も見栄えのほか発芽率が高い、飽満度が高いといった結果につながっている。
種子の販売方法は、各地の代理を通じて行っている。土壌・栽培指導は各地の「農業技術ステーション」にて行っているが、同社の販売部社員が出張レベルで視察に向かったりすることもある。販売量はスイカの場合年間60トン以上である。
遺伝子組み換えについては食品の安全性に問題があるので行っていないが、放射線照射(?)は「誘変育種」という2倍体、4倍体(種なし)を作ることは行っている。
 
日本との関わりは、ホップについて80年代にキリン豊緑というキリンビールとの合作による品種を導入、スイカは京欣1号という品種が同じく80年代に日本の専門家石本氏との合作により開発されたものであったりと、遠からぬ関係にある。日本に協力してもらいたいこととして、(1)新品種の開発。特に日本のものを導入し、新疆に普及させたい(2)育種専門家派遣による新品種開発(3)同社は科学技術園区の核心企業であるので、日本の農業技術を導入して、新疆に普及させたい、ということを願っている。