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コラム

新疆ウイグル自治区農業・産業視察 ~その1~

2010/05/21

新疆ウイグル自治区農業・産業視察 ~その1~
 
佐々木 清美
 
 
2009年12月29日から年をまたいでの8日間、農業方面での合作の可能性や方向性、及び日本農業のプレゼンスをどのように発揮できるかの検討材料収集という目的のもと、中国の西の果て、新疆ウイグル自治区へ視察にむかった。
8日の間にウルムチ市周辺(昌吉市、マナス市)、アクス市、トルファン地区をまわったが、各地では現場視察のほか、ウイグル自治区農業庁関係者を始め、地区政府関係農業担当者や企業責任者との会談の時間が多く割かれ、非常に有意義な視察となった。
 
 
 
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上海→ウルムチ
新疆農業庁幹部と夕食懇談会
 
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昌吉市
 
(1)昌吉市 麦趣爾乳業工場視察
新疆麦趣爾(マジャール)集団有限公司は会社紹介によるともともと売り上げ5000元の売店からスタートした企業で、現在は総資産5億7196万元、敷地面積9万9000m2を有する企業集団である。集団には乳業、食品、アイス、チェーン、新疆副食(集団)という5つの子会社があり、今回視察に向かったのは乳業工場である。集団の主な製品は「麦趣爾」乳製品、パン、アイス。冷凍食品など 400種類以上のラインナップをもち、烏魯木斉市を中心に新疆各地にベーカリーチェーンを有し、新疆以外には北京、杭州等の沿海都市にも店舗を展開している。麦趣爾はもともとパン製造の地場企業で、乳業企業を買収し、現在の体制になったという。
今回見学した牛乳工場は工員1500名、うち専門学校卒の高級人員は400名にも上る。
製造機械については、牛乳パックはスエーデンテトラパック社の機会を使用しており、そのほか日本製では古河電工、山幸、OSHIKIRIといったメーカーのものがある。
ここは「清真(ムスリム)食品表示」という、イスラム教徒に提供する食品を製造する認可を得ている工場であるので、原材料はいわゆる「ハラール」でなければならないとされている。
牛乳の供給元は、18の乳牛飼育小区と提携しており、ホルスタイン、ジャージーそして褐牛という3種から搾乳している。搾乳設備はスエーデン製のものを使用している。
主な製品である牛乳は、ロングライフのものがおおい。同社曰く、今はやりの「黒食品(黒豆、ごまなど)」を牛乳に配合した製品を最初に出したのは同社ということだ。
加工牛乳を中心とした乳製品はあるけれども、その他乳製品ついて、バター・チーズは作る計画があるが、実施にまでは至っていないとのこと。その原因として、農牧を中心とする少数民族には手作りバターや酪農製品の伝統があり、また一方でオーストラリア・ニュージーランドからの輸入品がおおいため、まだ市場を獲得できる見通しが立っていないこと等という理由による。
 
今後の同社の計画は2010年~11年に1~2億元の投資を実施し、北京にベーカリー工場を建造する。また、果汁に興味を示しており、新疆の特産である葡萄、桃、リンゴ、トマトなどを考えている。
オリエンタル酵母(東酵)、日清、不二製油、森永が原料サプライヤーとして同社と取引をおこなっている。今後の外国との合作については、ベーカリー方面での技術指導を求めているとのこと。
 
(2)乳牛基地
ここでは搾乳舎と牛舎を見学。牛舎は1棟建造するのに12万元かかるが、うち2万元については政府(中央政府と地方政府)の補助がでる。同じく搾乳舎は30万元のうち10万元の補助がでる。搾乳機械についても別途補助がある。
 
(1)(2)は、新疆農業職業技術学院とも密接につながっており、そこでの学生を「実習」という形で現場に送り込み、卒業前には一通りの技術を身につけその企業に就職する。いわば技術指導付きの青田刈りである。

 続く